1.消滅時効の援用の専門家、司法書士に相談
自分で消滅時効の援用をすることはできますが、もしも失敗したときには数十万、数百万円の借金を消滅させる手段を5年間失うことになります。
借金を踏み倒そうとするあなたの意思が債権者に明確に伝わることになるので、当然ですが督促も激化することになります。
ですので、司法書士への数万円の依頼料をケチって自分ですることはお勧めできません。
専門家に報酬を支払って、完璧に消滅時効の援用手続きをしてもらったほうが大きな安心を手に入れることにつながります。
相談であれば、ほとんどの事務所が無料で受け付けています。
まずは専門家に解決方法の提案をしてもらいましょう。
相談をする前に以下のことを調べておくと話がスムーズです。
- 最後に支払いをした日付
- 裁判所からの通知の有無
- 対象債権者
※対象債権者がわからないときは、調べる方法があります。
相談先の事務所ですが、どこでもいいというわけではありません。
口コミなどを参考にして、消滅時効の援用に経験豊富な司法書士の事務所を比較してみました。
2.契約する
相談をしたときに、必要なことは大方聞き取りをしてもらえます。
あとは事務所に行って、もしくは郵送での契約となります。
印鑑と身分証明書(免許証、住基カード、保険証など)が必須となります。用意しておきましょう。
契約手続きをが終わると事務所から受任通知が債権者に送付されます。
債権者はこの通知を受領したときから、債務者(あなたです)に対して督促行為ができなくなります。つまり、代理人としかやり取りができなくなるのです。
※しかし、訴訟を起こす権利は有しています。
また、債権者に取り引き履歴の開示を行わせることで、最終支払日の確認も行われます。
こうやって、確実に時効援用ができるのか調査を行い、最終的な援用手続きに向けて処理が行われていきます。
この間、基本的にあなたはなにもする必要がありません。
引っ越しなどをしている場合は、本人確認のために過去の住所を尋ねられることがあるくらいです。
※ケースによっては即援用手続きをするケースもあります。
3.消滅時効の援用手続き
調査が行われ問題なければ、消滅時効の援用手続きが行われます。
最終的に内容証明が郵送されるわけですが、送ったらそれで業務を終了したといってくる事務所は責任感が希薄と言わざるを得ません。
もしかしたら、中断事由があり援用できていないケースもあるからです。
余談ですが、行政書士は代理権を持っていません。ですので、中断事由があった場合などはあなたに直接書面等が届くことになります。行政書士は内容証明を作成するだけです。だから費用が安いのです。
中断事由が無く、手続きが順調に進んだ場合、依頼をしてから時効が完成するまで1ヶ月から2ヶ月半というところです。
この期間の差は債権者によって変わります。
時効援用が少しずつ多くの人に浸透してきているためか、債権者側でも処理が追いついていないケースが散見されます。
また、本来支払わなければならないお金を合法であるとはいえ、踏み倒そうとしている人のために優先度を高くするわけがありません。
今後ますます消滅時効の援用にかかる時間は長くなっていくと思われます。
クレジットカードやローンの審査を通したいと思っている人は、思いたったらすぐに消滅時効の援用をした方がいいでしょう。
4.時効の完成
時効が完成したら事務所から連絡がきます。
大抵の場合、債権者から時効が完成したという通知はありません。
債権者側から時効が完成したという通知をぜひともいただきたいところではありますが、借金を踏み倒した人を安心させるために時間と金を使って通知をする理由は債権者にはありません。
ですので通知をくれる債権者はほとんどありません。
事務所側ですべての手続が終了したと報告がきてから、一ヶ月後くらいに信用情報機関に問い合わせて自分で確認することをお勧めします。
あまりないことですが、債権者が自社での時効処理を完了させていても、信用情報機関への時効処理がなされないということがないとは言い切れないからです。
最後は自分の目で確認することが大切です。